| ▼「何やってるんだ。陰でコソコソ反則ばかりして!」。高校1年生の時、ある日の体育の授業で先生が激怒したことがある。その日の授業内容はラグビーだった――。▼僕が入学した高校はラグビーの強豪校として有名だった。学年が2つ上のラグビー部のキャプテンは全道大会の壮行式で「必ず優勝します」と宣言して、本当に優勝して全国大会に出場した。そういう学校だったからかどうかは分からないが、体育の授業ではラグビーをすることがとても多かった。入学したばかりの1年生のほとんどはラグビー未経験者だから、最初の頃の試合は時々ひどいことになったりする。例えば、ボールを持った誰かがフェイントもできずに直進すると、ちゃんとしたタックルができない相手がジャージを引っ張って引きづり倒す。倒された者は頭にきて、起き上がる時にどさくさに紛れて倒した相手を蹴ったりする。多分みんながそんな感じだったから、先生がついに怒ったのだ。▼高校では体育の授業だけでなく、球技大会もラグビーだった。僕も素人とはいえ、3年間も授業や球技大会でラグビーをやっていると少しはラグビーらしいこともできるようになり、同時にラグビーというスポーツの魅力を理解していくようになる。ラグビーはボールを前に投げることができないから、みんなでボールを横にパスしながら前に進まなければならない。みんなの心をひとつにして最後の1人をトライに導く喜びが、このスポーツの醍醐味だ。また、ラグビーボールは楕円なので、バウンドするとどこに転がるか分からない。だからどんな時でも全力でボールを追いかけていれば、自分の方にボールが跳ねてきてくれることがある。ラグビーの試合終了は「ゲームセット」ではなく「ノーサイド」。試合後は敵味方なく互いの健闘を讃え合う精神なのだそう。▼高校時代に学んだことのほかにも、元明治大学ラグビー部監督の北島忠治さんの「前へ」という言葉など、ラグビーにまつわる話を知るたびに、日々を生きる上で参考になることが色々あると感じる。僕はラグビー経験者ではなく競技するわけでもないが、そんなラグビーというスポーツが好きだ。▼冬のスポーツといわれるラグビー。昨年の暮れもテレビや新聞でラグビーの話題にふれる度に、クラスメイトと楕円のボールを追っていた頃を思い出した。(慎) |